2020年4月に大阪府に緊急事態宣言が出されたことに伴い、通天閣も休業となりました。一日も早く新型コロナウイルスの影響が収まり、通天閣に賑わいが戻ることを陰ながら願っております。
私も通天閣にはお世話になりまして、2011年に何回も大道芸をさせていただきました。その時の思い出を投稿したいと思います。
※人によっては茶化していて不快だと感じるかもしれません。辛いときも笑い飛ばそうという関西の表現であるとご理解ください。
屋上でパフォーマンスしてください…

2011年の春のことでした。今でもお世話になっている関西の先輩であるマルチコメディパフォーマーTASUKUさんのお誘いで、通天閣で縁日が始まるからそこで定期的に大道芸をしてほしいとお誘いがありました。その当時は東日本大震災のイベント自粛がようやく空けたばかりで、私自身、前の年に病気で一時大道芸を休んでいたこともあり、とてもありがたいお誘いだと思い、参加することにしました。
その際に言われたのは、
屋上で大道芸をしてほしい
ということです。
通天閣に屋上なんかあったかな?きっと展望台のことだろうな…
と思ったのですが、いざ、通天閣に到着してみて、びっくりです。

屋上にご案内しますね、と連れていかれたのは、展望台ではなく
入場券やお土産を買うためのフロアの屋上
だったのです。写真の矢印のところです。
屋上という表現に何一つ誤りはありません。階段を上って屋上に行くと、確かに縁日をやっていました。しかし、ふと疑問も湧き上がってきます。
ここ人が立ち入ることができたんだ…
と言うか、
ここに入れるの知っているお客さんいるんだろうか…
悪い予感は的中します。なかなかお客さんが屋上まで来てくれません。かと言って、こちらもただ手をこまねいているわけではありません。すぐ下のお土産売り場や展望台まで法被を着て出向いていって、
「縁日やっています!大道芸もやっています!」
と呼び込みをかけ、なんとか10人くらいのお客さんに来てもらって、大道芸を開始する、そんな感じの毎日でした。途中から縁日に来てくれたお客さんには、
「コップ1杯分のジュースを無料でサービスします」
なんて手も使いながら、みんなで呼び込みました。そのコップが信じられないくらい小さくて、いくら大阪でもこれは…と思いましたが…
縁日にはあの有名人も…
そんな感じで、人数が少ない中での大道芸です。人数が少ない場合は、
大ウケするか、ダダすべりするか、両極端
です。何回かパフォーマンスして、ウケがよければ1日の投げ銭が15000円くらい、ダダすべりしたら交通費を賄うのがやっと、という感じです。
でも、今振り返って改めて思います。
平日でも大道芸をできるチャンスがあるのは、とてもありがたかったです。
当時もイベント自粛の重苦しいムードが漂っていました。あの時の稼ぎがなければ、2020年の今現在大道芸人を続けることができてなかったかもしれません。そして、こうやって楽しくネタを話せるわけです。関西の芸人にとって、こんなありがたいことはないですよ。
ちなみに、縁日の屋台で食べ物を作っていた皆さんも大変個性的でした。その中には、野球芸人として今や全国区の人気者になった
かみじょうたけし さん
の姿もありました。当時もR1ぐらんぷりの準決勝まで出ていましたが、今や雲の上の存在になってしまいました。その他にも、
元プロ野球選手
キャラは濃いけど気のいい色んな仕事してたおばちゃん
など、様々な個性的なメンバーが居ました。
通天閣が営業再開した日には、またぜひ大道芸をしたいと思っています。出演料なんていりません。昔助けてもらったので、今度は恩を返す番です。通天閣をこれからも応援しています!