「フリーランス・リモートワーカーのためのストレスケア」シリーズです。今回は、ストレスに対処するための2つのアプローチを取り上げます。
フリーランスやリモートワーカーに限らず、心身のコンディションを整え、快適に働くための参考になれば幸いです。
ストレス対処の2つのアプローチ

仕事をしていると、どうしてもストレスは避けられません。過度のストレスに耐え切れなくなると、メンタル疾患や身体への異常が出てくる心配もあります。長く快適に仕事をし続けるために、ストレスに適切に対処する必要があります。
ストレスへ対処するための方略のことをストレスコーピングと呼びます。ストレスコーピングには、大きく以下の2つのアプローチがあります。
・情動焦点型アプローチ
・問題焦点型アプローチ
なんだか難しそうに聞こえますが、「情動」というのは、喜びや怒り、恐れなど、一時的な感情のことです。要するに、不快な気分を和らげることを目的にするか、問題の解決を目的とするかの違いです。
問題から距離を置いたり、気晴らしでリフレッシュする
情動焦点型アプローチは、ストレスによって生じた不快な感情を和らげることに主眼を置きます。
- 問題からいったん離れて距離を置く
- ストレスの原因となる人やものを避ける
- 気晴らしによってリフレッシュする
といった方法があります。問題が大きいときや、すごく落ち込んだり腹が立ったりしたときには、気分を和らげてリフレッシュするのは大切なことです。
ストレスをなくすには、最後は問題解決が大切
問題焦点型アプローチは、ストレスの原因となる問題を解決することを目指すアプローチです。
- 問題の原因は何か考える
- 原因を解決するためにはどう行動すればよいか考える
- 問題解決のためのスキルを身につける
- 問題について相談する
といった方法があります。
気晴らしなどの情動焦点型アプローチで一時的に気分が和らいでも、問題そのものがなくならない限り、ストレスは続きます。ストレスの大元をなくすためには、問題解決と向き合うことが大切です。
健康でイキイキと働く「ワークエンゲージメント」について研究している島津明人先生は、書籍でこう言っています。
職場でメンタルヘルス問題の相談を受けていると、仕事での知識不足やスキル不足が不安やストレスにつながっているケースに、数多く出会います。そして、こうしたケースでは、(中略)知識やスキルを高めるためのトレーニングの方がより有効なことを実感しています。
引用元 島津明人『ワーク・エンゲイジメント:ポジティブ・メンタルヘルスで活力ある毎日を』労働調査会 p.74
き、厳しい…
ていうか、この文章読んだだけでストレスたまるんですけど…
けど、そうなんですよね。確かに仕事の知識やスキルを高めることで解決できることは多々あります。
気晴らしと問題解決のバランスが大事

問題解決が重要なのはわかりますが、では気晴らしは無意味なのかというと、そうではないようです。
気晴らしと問題解決のバランスが大事
です。先ほどの島津先生は、日本の労働者を対象とした追跡調査を行っています。ざっくりと要点を言うと、
・問題解決と同時に、気晴らしもたくさん行っていた人のグループ
・問題解決ばかりで、気晴らしはあまり行わなかった人のグループ
に分けて、1年後にストレス反応がどのように変化しているか調べました。その結果
・問題解決と同時に気晴らしもたくさん行っていた人のグループは、ストレスが減っていた
のですが、
・問題解決ばかりで気晴らしはあまり行わなかった人のグループは、逆にストレスが増えていた
のだそうです。
問題解決だけにいつも神経をとがらせてばかりだと、心身が疲弊してしまいます。気晴らしと問題解決のバランスが大事である
と言えるでしょう。特に今は新型コロナウイルスの影響で先行きの見えない不安が長く続きます。問題解決もしっかり考えながら、気持ちのリフレッシュも忘れないようにしたいですね。私もこのブログを書いて改めて気をつけようと思いました。
※このパートは、島津明人『ワーク・エンゲイジメント:ポジティブ・メンタルヘルスで活力ある毎日を』労働調査会 を元にまとめました。
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