このブログでは書評・ブックレビューにも挑戦しています。今日は本格的な情報発信時代の到来に備えた考え方を知ることができる一冊を紹介します。
本日取り上げるのは、
ヒロシ著「働き方1.9:君も好きなことだけして生きていける」講談社 2019年
です。
※一部ネタバレを含みます。
二度ブレイクしたのも納得。ヒロシさんの哲学を知ることのできる一冊

「働き方1.9」の著者であるヒロシさんは、かつて自虐ネタで一世風靡し、最近では一人キャンプYouTuberとしてもブレイクしたお笑い芸人です。
本書の構成は以下の通りです。
- 第1章 何でも屋を諦める
- 第2章 たくさんのタネを蒔く
- 第3章 好きなことだけをして生きていく
- 第4章 ひとりこそが最強
自虐ネタのブレイクから、YouTuberとして脚光を浴びるまでにどのような試行錯誤を行ってきたか赤裸々に語りながら、YouTubeなどを通じた情報発信の時代の考え方を知ることができる一冊です。
「働き方2.0」ではなく1.9なのは、2.0と自分で言うほどではないというヒロシさんの謙遜の気持ちの表れのようです。このタイトルだけで何となく人柄がわかります。
タネまき・継続・決定権を持つ!
「働き方1.9」は、テレビのバラエティ番組の表舞台からYouTubeに主戦場を移行して成功した先駆けであるヒロシさんのしっかりとした考え方を知ることができることです。
様々な試行錯誤を経て新しいフィールドを開拓してきた背景にある哲学を知ることができ、芸人・YouTuberを目指す人以外にも参考になる内容が多数含まれています。
お笑い芸人の言うことなんて、と最初から否定的に見てしまってはもったいないです。
芸人は二度売れなければならないと言います。二度のブレイクを果たしたヒロシさんはやっぱりすごい人だと納得する一冊です。
芸人は二度売れなければ…という格言の出どころは定かでありませんが、一度はまぐれで注目されても、二度目は本人の実力がなければ難しいのは間違いありません。この格言は、お笑い芸人の世界に限らず、私たち大道芸人の間でもたまに話題になります。いや、実際は一度でも売れただけでんですけどね。
この本で特に学ぶべきことは、
・今の時代何が売れるかわからないので、いろんな種まきをちゃんとやっておく
・情報発信で生きていくためには、継続が大事
・これからは決定権を自分で握る時代になる
といったことではないでしょうか。それ以上詳しい内容は、ぜひ「働き方1.9」を読んでみてください。
決して甘い言葉だけではないからこそ、読んで損はない一冊
自己啓発本の中には、「○○さえやっておけば夢を実現できる」といったトーンの書籍もありますが、「働き方1.9」は、決して良い面だけを強調するのではなく、試行錯誤や継続が大事であるといったシビアな側面についてもきちんと触れています。耳が痛いと思う人もいるかかもしれませんが、良い面にも悪い面にも触れているからこそ、説得力が上がります。
今はまさに時代の転換期です。組織のしがらみをはなれ、個人としての尖った専門性を磨き、情報発信することがより一層求められるでしょう。情報発信時代の基本的な考え方を知るために、読んで損のない一冊です。
※「働き方1.9」のアマゾンでのリンクはこちらです。
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