このブログでは、芸事に関連した本の書評・ブックレビューも行っています。今日は、稀代の天才コメディアン志村けんさんの著作を紹介します。
本日取り上げるのは、
志村けん著「志村流」三笠書房(王様文庫) 2005年
です。
※一部ネタバレを含みます。
稀代の天才コメディアンの考えを知る

志村けんさんは、日本が誇る稀代の天才コメディアンです。芸能界でスターとなったお笑い芸人もたくさんいますが、志村けんさんほどコメディアンという肩書がふさわしい人は、これからも出てこないことでしょう。
私が大道芸を本格的に始めたころは、ちょうどドリフターズの良さが再評価され始めた時期でしたので、志村さん、いかりやさんの本を何回も読んで勉強しました。志村さんが亡くなってしまったのはとても悲しいですが、自分の原点を思い出すために、改めて「志村流」を購入して読み直してみました。
「志村流」の構成は以下の通りです。
- 第1章 一生が二十四時間だとしたら
- 第2章 肝には金を使え
- 第3章 常識なくして成功なし
- 第4章 マネがマネーを生む
お笑いの生み出し方というよりは、社会人として成功するための考え方に焦点を当てた一冊です。
常識の積み重ねが大事だと知ることのできる一冊

「志村流」を改めて読んでみて、
常識や当たり前のことの積み重ねこそが最も大切である
ということを改めて認識しました。
規格外の発想で笑いを生み出してきた志村さんが、常識を最も大事にしているのは意外でもあり、だからこそ、ごく普通の人は常識を大事にしないといけないのだ
と強く感じさせられました。常識的なことの積み重ねの大切さは、野村克也さんや落合博満さんも強調していることであり、物事を極めた人がたどり着く究極の真理なのかもしれません。
笑いを生み出すのにも常識は大切です。「志村流」には、このように書いてあります。
お笑いみたいなものでも、常識を知らないと本当のツボというものがわからない。常識は基本戦で、お笑いはその常識という基本線をひっくり返すところで、コントとして成り立っている。だから、笑えるワケよ。
お笑いに限らず、常識をバカにする奴に、常識を超えたことは絶対にできない。会社でも、ごく当たり前のことをコツコツやることって、一番大事じゃないかなぁ。
志村けん「志村流」三笠書房 pp.138-139
大道芸人としても改めて肝に銘じておきたいと思います。
「志村流」はどちらかというと自己啓発本として書かれた内容です。
「変なおじさん」 新潮文庫
の方が、お笑いの生み出し方に関する志村さんの考え方をより詳しく知ることができます。私も「変なおじさん」を改めて読み直してみたいと思います。
まじめな書評の終わりが「変なおじさん」という言葉で終わるのもなんだか妙な感じがしますが、変なおじさんというキャラクターが日本に暮らすみんなの記憶に深く残っているのだなあと改めて思います。
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志村流―当たり前のことが出来れば、仕事も人生も絶対に成功する (王様文庫)
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