文化芸術活動通じて地域課題の解決に挑む事業を行う人におすすめ!『文化事業の評価ハンドブック』(水曜社)ブックレビュー

このサイトは、アート・遊び・レクリエーションを通じて、地域全体が笑いで明るくなることを願って制作しました。

芸術の力を社会的課題の解決に活かす事業が、少しずつですが増えてきています。多くの事業は非営利であり、自治体や福祉財団の支援を受けることも珍しくありません。継続的に支援を受けるには、評価報告を通じたコミュニケーションが必要不可欠です。しかしながら、自らの活動をどのように評価したらいいのか戸惑う人も多いのではないでしょうか?

評価の問題と真剣に向き合おうと思ったら、『文化事業の評価ハンドブック:新たな価値を社会にひらく』(文化庁×九州大学共同研究チーム編・水曜社)という書籍がおすすめです。

この記事は、

『文化事業の評価ハンドブック』のブックレビュー

です。

  • 自ら培ったものを通じて地域の役に立ちたいと考えるアーティスト
  • 音楽療法士・芸術療法士などのプロフェッショナル
  • 文化と福祉が重なり合う事業を行う地域団体・非営利団体
  • 文化ホールなどの公共施設に勤める職員

などの皆さんに、特に役立つ内容です。

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◎記事を書いたのは?(サイト運営者の経歴)

この記事を執筆したのは、「大道芸人たっきゅうさん」です。全国の老人クラブや公共施設を訪問し、「笑いと健康」に関する講演活動を行っています。

  • 日本笑い学会
  • アートミーツケア学会
  • 健康生きがい学会

に所属し、文化芸術活動を通じた社会貢献に関する学会発表や論文投稿を行っています。

より詳しい経歴は、「プロフィール」をご参照ください。

大道芸人たっきゅうさん・プロフィール

https://laugh-and-health.com/profile/

幅広い活動事例から、事業に合う評価法のヒントを得る

文化や芸術に触れることで、生活に彩りが生まれ、エネルギーを得ることができます。文化芸術の力を、社会の様々な課題の解決に役立てる取り組みが、全国に広がっています。

しかしながら、文化事業の評価には、経済活動とは違う難しさがあります。

  • 一口に文化芸術といっても、幅広い活動がある
  • 意義や効果が一見わかりにくく、客観的な数字で測れるものばかりではない

からです。

劇場でミュージカルを鑑賞する活動と、アーティストと一緒に絵画の制作に取り組む活動は、どちらも文化芸術活動ではありますが、参加する人の感じ方は全く違うはずです。

また、社会的課題の解決につなげるための文化芸術事業は、作品やアーティストとの触れ合いを通じて、気持ちや行動に新たな変化を生み出すことが大切です。そのような変化は一見わかりにくく、必ずしも数値で測れるとは限りません。来場者数などの客観的な数値を目標とすると、変化を見逃してしまいます。来場者数が少ないからといって、意義がない活動とは限らないのです。

文化事業の評価ハンドブック』では、文化芸術活動の多様性を考慮して、どの事業でもすぐに使えるマニュアル的な評価法は提示しません。

その代わりに、様々な活動事例を取り上げ、実際に行われている評価法を幅広く紹介します。各団体が実施した評価法と、採用した理由を掘り下げていく構成になっています。

自分の団体に合った評価法を時間をかけて確立したい人にとっては、とても有意義な一冊です。

本書の構成は、以下の通りです。

  1. 導入編 文化事業×社会包摂
  2. 基礎編 社会に向き合う文化事業の評価
  3. シンポジウム編 現場の評価と行政の評価
  4. 実践編 価値を引き出す評価

評価とは、価値を引き出すためのもの

文化事業を社会的課題の解決に結びつけていくために、押さえておきたい概念があります。「芸術の公共的価値」です。

上の図のように、

公共的価値は、芸術的価値(※)と社会的課題の解決につながる価値の2つが重なる部分

のことです。

(※芸術的価値→芸術本来の美的価値や、ワクワクする、感動するなどの要素)

文化や芸術と触れ合い、心躍る体験をしたからといって、直ちに社会的課題の解決につながるわけではありません。自らの活動のどの部分に公共的価値があるかしっかりと見定め、評価していくことが大切です

しかしながら、公共的価値がすぐに見つかるとは限りません。実際には、上の図のように、心ときめく芸術的価値の中から、いずれ公共的価値へとつながる芽を見つけ、大事に育てていくことが重要です。

『文化事業の評価ハンドブック』で取り上げる評価法を知ると、芽を育てることに役立ちます。

この本で強調しているのは、

評価は、事後的に良し悪しを決めるだけのものではなく、より良い未来を築くために実施されるべきもの(p.2より引用)

だということです。評価は、事業の公共的価値を大事に育てていくための手段でもあり、コミュニケーションのツールとしても役立ちます。

本書を繰り返し参照することで、事業のビジョンがより鮮明になり、前向きな展望が描けるに違いありません。

芸術や笑いの意義を知るための記事が他にも多数

このサイトでは、芸術・笑い・レクリエーションの意義や効果を知るための記事を数多く掲載しています。ぜひ合わせてご覧ください。

◎『笑いと治癒力』ブックレビュー

世界的ジャーナリストであり、日本の広島とも縁の深いノーマン・カズンズ氏が書いた『笑いと治癒力』(岩波書店)は、「笑いと健康」の先駆けとなった一冊です。この本をきっかけとして、笑いや前向きな威力が身体に与える効果に関する研究が大きく進展しました。

◎『夢中になれる小児病棟』ブックレビュー

病院に入院中の子どもたちに、遊び・芸術・笑いを届ける活動を行っている団体があります。スマイリングホスピタルジャパンです。『夢中になれる小児病棟』は、代表の松本さんが活動の思いを記した本です。芸術の力を知るために特におすすめの一冊です。

なお、サイト運営者の「大道芸人たっきゅうさん」も、スマイリングホスピタルジャパンのメンバーです。

◎『健康と生きがいづくりに役立つ笑いの力』書籍紹介

サイト運営者「大道芸人たっきゅうさん」の著書です。シニア世代を対象に、笑いや生きがい活動についてわかりやすく解説した本です。

老人クラブや高齢者サロンで行える文化芸術活動についても、幅広く取り上げました。

他にも記事が多数あります。「記事一覧」にリンクを掲載中です。

暮らしの中に笑いを取り入れよう!笑いの効果や増やし方に関するちょっと真面目な記事一覧

https://laugh-and-health.com/2020/07/21/20200721/

レクリエーションや笑いについて学べるおすすめ書籍・レビュー記事一覧

https://laugh-and-health.com/2022/12/29/20221229-2/

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  • 労働組合
  • 寿大学・シルバー大学・生涯学習講座
  • デイサービス・老健・老人ホーム
  • 幼稚園・保育園・小中学校・子ども会・学童保育・特別支援学校

など、全国に出張いたします。

詳しくは、「大道芸人たっきゅうさんプロフィール」をご覧ください。

大道芸人たっきゅうさんプロフィール
https://laugh-and-health.com/profile/

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日程・料金・準備が必要なものやご要望など、遠慮なくご相談ください。

また、こちらの2つのサイトにも、公演に関する情報を掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

「大道芸人たっきゅうさんのユーモアセラピー特設サイト」(外部サイトへのリンク)

https://www.humor-therapy.com/

「マイベストプロ京都」(外部サイトへのリンク)

https://mbp-japan.com/kyoto/jugglertakyu/

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「大道芸の笑いを小児医療や高齢者施設にも!」をモットーに活動する通称「大道芸人たっきゅうさん」です。京大卒なのに大道芸人です。「笑いと健康」に関する講演の講師として全国の老人クラブを訪問しています。 【テレビ・ラジオ・新聞等の実績】 ぐるっと関西おひるまえ/ちちんぷいぷい/Music Edge/京いちにち630/おやかまっさん/笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ/京都新聞/朝日新聞/毎日新聞/産経新聞/大阪日日新聞 等多数 【取得資格】 健康生きがいづくりアドバイザー ・ケアストレスカウンセラー ・レクリエーション介護士2級

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