高齢者の笑いのツボは若い人とどこが違うのか?京大卒大道芸人がまじめに考えてみました。

「笑いと健康・高齢者レクリエーションの情報サイトlaugh and health.com」では、笑いやレクリエーションに関する様々な記事を掲載しています。サイトを訪問してくださった方の中には、デイサービスや有料老人ホームなどの高齢者施設にお勤めの方もたくさんいらっしゃると思います。

この記事では、

高齢者と若い世代の笑いのツボの違い

について考えます。

笑いを増やすために大切な時間であるレクリエーションの企画を考える際に、この記事をご参照いただければ嬉しいです。

この記事を執筆する「大道芸人たっきゅうさん」はジャグリングやバルーンアートを披露しています。大阪の海遊館や神戸ハーバーランドのような若い人が多い場所から、デイサービス・特養など大半が高齢者の場所まで、様々な場所でパフォーマンスをしてきました。自分の肌で感じてきたことを、文章にまとめました。

※レクリエーションは笑いを増やすことにもつながります。その理由について、別の記事で詳しく解説しました。

笑点が人気の理由を考えると、高齢者の笑いのツボが見えてくる

早速、笑いのツボについて考えてみたいと思います。

まず、高齢者の皆さんの笑いの傾向は、以下の通りです。

1.ゆったりとしたペースでわかりやすいものを好む

2.フリとオチの関係がわかりやすい(ベタ)なものを好む

3.定番のネタでもよく笑う

4.自虐的なネタも受け入れやすい

です。

高齢者世代に大人気の番組である「笑点」を思い浮かべるとわかりやすいです。今は亡き歌丸さんと円楽さんが罵り合うシーンはいつも大ウケでした。フリとオチがわかりやすく、定番と化しているネタですが、高齢者の皆さんは毎週楽しみにしています。笑点のゲストとして時々登場するマギー史郎さんやナポレオンズさんも、ゆったりとしたペースで誰が見てもわかりやすい芸が魅力です。

一方で、若い世代の人の傾向は、以下の通りです。

  1. リズム・テンポ・勢いがよいものを好む
  2. 奇抜なものや新しいものを受け入れやすい
  3. (高齢者と比べて)人によって笑いのツボの違いが大きい

若い人にはリズムやテンポ、勢いがよいものがよくウケます。霜降り明星のせいやさんのように、テンポよく動きを繰り出せる人がブレイクする傾向にあります。小島よしおさんを始めとして、新しいリズムネタが毎年のように生まれています。

逆に、高齢者の皆さんにとっては、ものすごいテンポとテンションで圧倒するものは、わかりにくくてうるさいと感じてしまうことの方が多いようです。高齢者施設を訪問すると「最近の若手芸人の芸は笑えない」という意見を聞くこともあるのですが、笑いのツボの世代差がひとつの原因です。芸人さんが高齢者の喜ぶネタを作る努力をすることがもちろん大切ですが、一方で高齢者の皆さんも若い世代の笑いを受け入れるおおらかさがあればよいと私は思います。

そして、若い人の方が新しい笑いを受け入れる傾向にあります。その分だけ人によって笑いのツボの違いが大きくなります。

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なぜベタなネタ・定番ネタが高齢者にウケるのか?

それでは、なぜ高齢者世代の皆さんはベタなネタや定番ネタを好む傾向にあるのでしょうか。私は、物事の考え方の傾向の違いが大きな要因であると考えています。笑いの好みの違いについては、以下のことがわかっています(※)。

  • 保守的な人は、フリとオチがわかりやすい(ベタな)笑いを好む
  • 新しいことや刺激を求める人は、ナンセンスな笑いや奇抜な笑いを好む

一般的に、年齢が上がるにつれて、保守的な考え方をする人の割合が増えてきます。保守的な考え方をする人は、ベタな笑いを好みます。したがって、若い世代に比べて、高齢者の方がベタな笑いを好む傾向があると言えるのです。定番ネタも同様で、展開がわかっているからこそ安心して笑えます。

多くの高齢者が笑いに求めているのは、安心してゆったりと楽しめる時間である

と言えるのではないでしょうか。

※参考文献 マーティン(2011)『ユーモア心理学ハンドブック』北大路書房

綾小路きみまろさんが人気のワケ

高齢者に大人気の綾小路きみまろさん(日本タレント名鑑ウェブサイトより引用)

さて、最後に日本の高齢者に特徴的な笑いの傾向に触れたいと思います。

日本の高齢者は、自虐的な笑いでも笑ってくれることが多い

です。年齢を重ねると、体の自由が利かなくなったり、今までできていたことができなくなって落ち込んだりするものですが、そういった悲哀をカラッと笑う芸や書籍の人気があります。

  • 綾小路きみまろさん
  • 毒蝮三太夫さん
  • シルバー川柳 など

綾小路きみまろさんや毒蝮三太夫さんは、だいぶひどいことを言っているにもかかわらず大人気です。自分のことを客観視していないと自虐的なネタで笑うことはできません。様々なストレスや悲哀を笑い飛ばせるのは、ある意味高尚なことなのかもしれません。

ただ、自虐ネタを扱ううえで、ひとつ注意しておきたいことがあります。

害のない程度の毒や自虐なら笑えるが、本当に気に病んでいること・社会的なモラルから明らかに逸脱していることは笑えない

ということです。笑いを取ろうと思って他の人や自分の心を傷つけてしまっては元も子もありません。毒舌で人気の人たちも、長年の経験で培った肌感覚で、ここまでは大丈夫という絶妙なラインを見極めながらやっています。誰だって触れてほしくないような悲しい記憶・辛い記憶はあります。無理にそういったことに触れる必要はまったくありません。

※ここまで書いてきた内容は、あくまで傾向であり、全員に当てはまるわけではありません。ぜひ自分にとって心地よい笑いの時間を見つけてください。

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「大道芸の笑いを小児医療や高齢者施設にも!」をモットーに活動する通称「大道芸人たっきゅうさん」です。京大卒なのに大道芸人です。「笑いと健康」に関する講演の講師として全国の老人クラブを訪問しています。 【テレビ・ラジオ・新聞等の実績】 ぐるっと関西おひるまえ/ちちんぷいぷい/Music Edge/京いちにち630/おやかまっさん/笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ/京都新聞/朝日新聞/毎日新聞/産経新聞/大阪日日新聞 等多数 【取得資格】 健康生きがいづくりアドバイザー ・ケアストレスカウンセラー ・レクリエーション介護士2級

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