このサイトをご覧いただいている方の中には、高齢者施設でレクリエーションや行事の企画を行っている介護職員や、高齢者施設を訪問するボランティアの方もたくさんいると思います。高齢者の皆さんに喜んでもらうために、なにか芸をひとつ身につけたいなと思った時に、ジャグリングはとてもおすすめです。
この記事では、
ジャグリングで用いる主な道具
について、種類ごとに紹介します。
- 高齢者施設のレクリエーションや行事の際に、自分で芸を披露してみたい職員
- レクリエーションの時間に施設を訪問するボランティア
- ジャグリングをやってみたいと思っている人
にご覧いただければと思います。
この記事を執筆する「大道芸人たっきゅうさん」は、ジャグリング歴21年のプロパフォーマーです。これまで様々な高齢者施設、老人クラブ、寿大学を訪問し、ジャグリングを披露してきました。高齢者施設でも演じやすいものを中心にまとめました。
※イラストについては、イラストacの無料イラストを使用しています。
3つ以上のものを投げて操るトスジャグリング
早速紹介へと移ります。まずは、3つ以上の道具を投げて操る道具です。トスジャグリングという分野になります。ジャグリングと言うと、このトスジャグリングをイメージする人が多いのではないでしょうか。
◎ボール

ジャグリングの王道中の王道です。トスジャグリングに興味があるなら、まずボールから始めるのが断然おすすめです。後ほど紹介するクラブやリングも、ボールのジャグリングをある程度身につけてからの方がスムーズに習得できます。一番の基本技であるカスケードの習得を目指しましょう。
◎クラブ

こん棒のような形をした道具です。ジャグリングと言うとこの道具をイメージする人が多いかもしれません。よくボーリングのピンと間違われますが、実際にはボーリングのピンよりずっと軽いです。回転の制御が必要な分、ボールよりは難易度が高いです。
◎リング

文字通り輪っかの形をした道具です。5枚以上投げるととても見栄えがする道具です。弱点は風に弱いことと天井が低い場所は不向きなことです。サーカスの花形です。
◎スカーフ
スカーフは体験教室向けの道具です。他の道具に比べて落下スピードが遅いため、高齢者やお子さんがジャグリングを体験する際に用いることがあります。
その他、ナイフやファイヤートーチなどがあります(もっとも、ファイヤートーチは高齢者施設の部屋の中では100%無理ですが…)
ひもや棒を用いて操るジャグリング
ひもや棒を用いて道具を操るジャグリングもあります。
◎ディアボロ

お椀を2つつなぎ合わせたような形状のこまを、ひものついたスティックを用いて操ります。中国ごまと呼ぶこともあります。日本のディアボロのレベルは、世界的に見ても非常に高いです。こまに強い回転をかけるため、安全確保の観点から、難易度の高い技を行う際には十分な距離をあける必要があります。
◎デビルスティック

2本の棒(ハンドスティック)を手に持ち、もう1本の細長い棒(センタースティック)を操る芸です。
◎フラワースティック
デビルスティックとよく似ていますが、両端に飾りがついており、デビルスティックに比べると動きが緩やかになる特徴があります。
ものが浮かんでいるように見えるジャグリング
あたかも物体が浮かんでいるかのように操るジャグリングもあります。水晶玉が浮かんでいるように見える芸をテレビで見たことがある人も多いと思います。定点から画面越しに見ると非常に見栄えがするため、テレビやYouTubeでの人気が高いジャンルです。
◎コンタクトジャグリング

透明のクリスタルボール(水晶玉←本当はアクリル製です)が浮かんでいるように見える芸は、コンタクトジャグリングに分類されます。コンタクトジャグリングは、身体に接地させる(コンタクトする)ジャグリングというのが本来の意味で、クリスタルボール以外の道具を用いてもかまわないのですが、見栄えの良さから、クリスタルボールを使うのが主流になりました。
◎エイトリング
8の字のような形のリングをあたかも浮いているかのように操ります。こちらもテレビで見かけることが非常に多いです。最近の大道芸で流行している道具のひとつです。
◎武幻
こちらはS字型の形をした大きな道具です。雰囲気はエイトリングにも似ていますが、なんだか錯視を見ているような気分になります。エイトリングの方が入手しやすいです。
もはやジャグリングと呼べる日本の道具
日本の伝承遊びや曲芸で用いる道具の中には、新たな技が開拓され、もはやジャグリングに分類してもよいのではないかという道具もあります。
◎けん玉・糸なしけん玉

けん玉は、近年ものすごく進化をしています。剣と玉をつなぐ糸を外した「糸なしけん玉」は、技の自由度が高く、剣を2つと玉を3つ用いてジャグリングと同じような技をするなど、アクロバティックな技も増えています。
◎皿回し(プレートスピニング)

皿回しもジャグリングの技との融合で近年急速に進化している道具のひとつです。IJA Championshipは、ジャグリング国際大会として非常に権威の高い大会ですが、皿回しを行った日本人が2018年のチャンピオンになりました。
◎傘回し

傘回しと言えばひとつの傘のうえでひとつ玉を回すのが当たり前だと思っていましたが、二つの傘を同時に操ることができる人も出てきました。日本のジャグリング界の最難関であるJJF Championshipの女子部門で、傘回しの演技が入賞しました。これからジャグリングとしての進化が期待される道具です。
その他のジャグリング
他にも様々な道具があります。
◎シガーボックス

葉巻の箱のような四角い道具を操ります。プラスチック製のものと木製のものがあります。日本での人気が高い道具のひとつです。膝を使うためとてもよい全身運動になりますが、その分疲れやすい道具でもあります。
◎ハット
洋風の帽子を用いて体の周りに転がしたり、投げたりする芸です。スタイリッシュな技が多く、パフォーマンスでよく見かけます。風に弱いのが弱点です。
◎シェーカーカップ
バーテンダーが使うカップに似た形状の道具を複数個用いて、空中に華麗に投げ上げます。現象がわかりやすく見栄えがする魅力的な道具ですが、音がうるさいのが難点です。高齢者施設で行う際は、大きな音が苦手な人がいないか確認した方がよいでしょう。
◎ダイススタッキング
カップを用いて何個ものダイス(サイコロ)を積み上げる芸です。ダイスの数が少ない場合は難易度が低く、手軽に始めやすいため、初心者にもおすすめの道具です。
◎ポイ

先端に玉がついたひもを片手にひとつずつ持ち、華麗に回す芸です。テールがついていて軌道が美しく見えるもの、LED付きで暗い場所で見栄えがするものなどがあり、道具の変化で実際の雰囲気が大きく変わるのはポイならではの特徴です。
初心者でも高齢者施設で演じやすいもの
この記事の最後に、
これからジャグリングに挑戦する初心者が高齢者施設で演じるのにおすすめの道具
を3つピックアップします(※100%独断と偏見です)。
- 高齢者にとってもわかりやすくなじみやすい
- 狭い場所でも演じることができる
- 一番最初に覚える技が比較的簡単でハードルが高くない
ことを基準にしています。
◎ボール
どの道具がよいかわからないけどとりあえずジャグリングを始めてみたいという場合は、ボールが一番おすすめです。正直最初に覚えるカスケードという技は簡単な方ではないのですが、ボールができれば他の道具に応用がききやすく、カルチャーセンターなどで習える機会も圧倒的に多いです。
※高齢者の皆さんとお手玉を手作りするのも楽しいです。こちらの記事も合わせてご覧ください。
◎皿回し
皿回しは皿を回せるだけで驚かれることが多いです。また、皿を回せるだけで、高齢者の皆さんが一緒に参加できる芸もあります。最初はどうやって皿を回せばよいのか、力加減などに戸惑いますが、ある日急にコツをつかめます。
※施設の高齢者の皆さんが参加できる芸については、こちらの動画をご覧ください。
◎糸なしけん玉
けん玉は昔からある道具なので、高齢者にとってもなじみやすいです。遠くからでも見栄えのする大きなけん玉もあります。玉が大皿と中皿を何度も移動する「もしかめ」は最初に覚える技のひとつですが、見ているだけで楽しくなる技です。大道芸っぽい技を覚えてみたいときは、糸をはずした糸なしけん玉がおすすめです。
以上、100%独断と偏見で道具をピックアップしましたが、
自分がやってみたいと思った道具をやってみるのが一番
です。自分が一番楽しいと思ったものを披露するのが、高齢者の皆さんも一番楽しめます。自分自身が楽しんでいる気持ちは、思った以上に伝わりますので、あまり難しく考えずに、興味のあるものから始めてみてください。
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