このサイトをご覧いただいている人の中には、高齢者施設でレクリエーションを担当している人も多数いらっしゃると思います。せっかくレクリエーションをやるなら、盛り上がった方が嬉しいですよね。
この記事では、レクリエーションを盛り上げるために大切なテクニックである
アイスブレイク
について解説します。
また、アイスブレイクのネタ探しの手間を省けるよう、
- アイスブレイクとしても活用できる他の記事のリンク
- アイスブレイクの題材としても利用できる書籍やグッズのリンク
も掲載しました。
この記事は、
- デイサービスや有料老人ホームなどの高齢者施設の職員
- 高齢者サロン、住民サロンの運営ボランティア
- 音楽や芸能のボランティアで高齢者施設を訪問する人
等にご覧いただければと思います。
また、アイスブレイクは、研修やグループワークでも使える手法です。研修やグループワークで使えるアイスブレイクの素材についても掲載しております。
アイスブレイクとは?その効果は?

レクリエーションが盛り上がるかどうかは、内容も大事ですが、参加する人全員が打ち解けた雰囲気が出来上がっていることも大切です。
アイスブレイクは、レクリエーションの冒頭で
参加者の固い心を解きほぐし、温かい場の雰囲気を作り上げていく手法
です。
アイスブレイクを日本語に直訳すると「氷を解かす」という意味です。氷のように冷たい空気を温め、参加者同士が交流しやすい雰囲気を作っていくための手法だと思えば、イメージがしやすくなるのではないでしょうか。
アイスブレイクは、レクリエーションの冒頭に行います。
- 体操
- ゲームやクイズ
- 歌やツカミの小話
などを用いることが多いですが、場を温めることができれば、それ以外の方法を用いてもかまいません。たとえば、野球が好きな人が多い場所では、前の日のプロ野球の試合結果について話すだけでも打ち解けた雰囲気になりますよね。これも立派なアイスブレイクです。
冒頭でアイスブレイクを行うことで、その後のレクリエーションが盛り上がる確率がぐっと上がります。
自分の得意のアイスブレイクのパターンをいくつか身につけておくと、レクリエーションの進行がより楽しくなりますよ。
なぜアイスブレイクが必要か?
アイスブレイクがなぜ大切なのでしょうか?その理由は
レクリエーションに参加している一人ひとりがお互いに心を開いた方が、コミュニケーションが生まれやすくなる
からです。
他の人がみんな緊張して険しい表情をしていたら、自分から話しかけたり、一緒に何かをしたいという気分にはなりにくいですよね。逆に、他の人が明るく話しかけてくれたら、自分も心をオープンにして気軽に話しやすくなります。相手が心を開いてくれたら、自分も心を開きたくなる心の性質のことを、心理学用語で自己開示の返報性と言います。
※自己開示の返報性については、私が「マイベストプロ京都」で書いたこちらのコラムもご覧ください。
(参考)参加者の心を開く極意をお笑いマジシャンに学ぶ(マイベストプロ京都へのリンク)
https://mbp-japan.com/kyoto/jugglertakyu/column/5015843/
何年も前から仲の良い人は別にして、普通はそれほどよく知らない人同士だと緊張してしまうものです。目の前にいる人と話したいのに、何から話していいかわからず、話しかけようかやめようか迷っているだけで気疲れしてしまう、なんて経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
参加する人一人ひとりが打ち解けて話しやすい雰囲気は、自然発生的に生まれるものではなく、主催者が意識して作り出す必要があります。
そのための重要なテクニックが、アイスブレイクなのです。
参加者同士の打ち解け具合で内容を変えるのが基本
アイスブレイクには無数のやり方があります。インターネットでも様々な情報が掲載されていますが、すべてを覚えるのは現実的ではありません。実際には自分の得意なパターンをいくつかマスターすれば十分です。
実際にアイスブレイクを行う際には、参加者同士の打ち解け具合に合わせて内容を使い分けるのが基本です。
1.参加者同士が初対面で緊張が強い場合
初めて会う人同士だと緊張し、いきなり知らない人と一緒にレクリエーションをやってくださいと言われても戸惑ってしまいますよね。そのような場合は、みんなで同じ動作をして息を合わせてくようなアイスブレイクがおすすめです。
- 体操
- 手拍子や拍手を用いた簡単なゲーム
などがあります。
みんなで同じ動作をするのが効果的な理由は、過去に執筆した「マイベストプロ京都」のコラムにて詳しく解説していますので、そちらも合わせてご覧ください。
(参考)大道芸やテレビの前説で拍手の練習をするのはなぜ?(マイベストプロ京都へのリンク)
https://mbp-japan.com/kyoto/jugglertakyu/column/5018541/
2.参加者同士が最初からある程度打ち解けている場合
参加者同士がある程度打ち解けている場合は、ゲームなどを通じてコミュニケーションを促進するアイスブレイクがおすすめです。
- ホワイトボードを用いたゲーム
- グループで協力して行うゲーム
などがあります。
状況別おすすめアイスブレイク
この記事の最後に、状況別におすすめの具体的なアイスブレイクのアイデアを紹介します。
状況1 高齢者向け・体を動かすアイスブレイク
デイサービスや有料老人ホーム、老健などの高齢者施設では、みんなで一斉に体を動かすアイスブレイクがよく行われています。
- 体操
- 手遊び・手指のトレーニング
などがあります。
体操では、ゾンビ体操が個人的におすすめです。
また、手遊びや手指の体操については、こちらの書籍に多数のアイデアが収録されています。
「手遊び」という表現は子どもっぽくて抵抗があるシニア世代もいるかもしれません。その場合は、手指のトレーニング、手を使った脳トレ、などの表現に言いかえればよいでしょう。
体操や手拍子などの動作を使って笑いをおこすのは、介護エンターテイナー石田竜生さんの得意技です。石田さんは作業療法士なので、その点も安心です。石田さんのYouTubeも探してみてください。
状況2 高齢者向け・頭の体操になるアイスブレイク
脳トレや頭の体操になるようなアイスブレイクは、ホワイトボードを用いたレクネタがおすすめです。このサイトは、ホワイトボードを用いたレクネタに関する多数の記事を掲載しています。
ホワイトボードを用いたレクリエーションの記事を探す際には、こちらのまとめ記事が便利です。
手軽にできる頭の体操として、個人的には下の記事がおすすめです。
状況3 研修・グループワーク
高齢者施設の職員、住民サロン、老人クラブ等の運営リーダーの皆さんが研修やグループワークを行うこともあります。アイスブレイクは、研修やグループワークの雰囲気を和やかにするためにも役立ちます。
- ホワイトボードを用いたレクやクイズ
- ボードゲーム・アナログゲーム
がおすすめです。このサイトに掲載した内容では、ホワイトボードなぞかけクイズに挑戦してみてほしいです。
まじめな研修にボードゲームなんて…と思った人も多いかもしれませんが、最近では若い世代を対象としたグループワークやインターンなどで、実際にアイスブレイクとしてボードゲームを行うことが増えています。3人以上で取り組むことができ、ルールがわかりやすく、10分程度で終わるものがおすすめです。高齢者施設やサロンでのレクリエーションの素材探しにもなりますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
ただ、あくまでまじめな研修ですので、コミュニケーションの促進が目的であり、あまり長い時間楽しみ過ぎないように気をつけましょう。
「ハゲタカのえじき」、「ごいた」などのゲームが手軽です。
また、このサイトで掲載した記事の中では、少し難しめのゲームですが、トランプを用いたこのゲームがおすすめです。
介護予防サロンや寿大学での頭の体操としても適したゲームですので、ぜひ挑戦してみてください。
高齢者施設・公民館・老人福祉センター向け研修を行っております。
大道芸人たっきゅうさんは、介護施設職員・事業者、公民館や老人福祉センター職員を対象としたレクリエーションの研修を行っております。お気軽にお問い合わせください。
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